鋳田籠

はじめに

鋳田籠はダクタイル鋳鉄製の格子状パネルを同素材のくさびで連結し、枠体を形成した中に石やコンクリート殻を再生加工したもの(リサイクル製品)を詰めて使用する土木建築製品です。主には河川の護岸工、根固工、護床工、また土留工、谷止工などに使用します。
鉄(特にダクタイル鋳鉄)は、銑鉄という白の顔料を生産する際の副産物と鉄スクラップを主原料としており、古くから人間の生活に使用されてきました。鋳田籠はこのようなリサイクル素材を溶鉱炉で溶かし、鋳造技術で作った感潮区域及び河川区域の生態系に適した工法であり地球環境にやさしい製品です。1998年から開発を進め、今日では全国300件以上の実績をいただいております。

技術の概要

1.技術開発の背景及び契機

鉄(特にダクタイル鋳鉄)は銑鉄という白の顔料を生産する際の副産物と鉄スクラップを原料としており、古くから人間の生活に使用されてきました。この鋳田籠は伝統的な粗朶・木工沈床の良さを継承した「底なし・蓋なし」構造です。環境にやさしい鋳鉄枠を用いることで、鋳鉄に含まれる鉄分やミネラルが、動植物性プランクトンの生成、水生生物の育成に有効に働き、ビオトープ(生物の居住空間)創出を促し、また植生の植込み・現地発生土の覆土により、植生の早期回復が可能で、さらに元の自然と調和した景観を残すことで、川を安全に、できるだけあるがままの形でも残す「多自然川つくり」を目的としています。

2.技術の内容

ダクタイル鋳鉄製の格子パネルを同素材のくさびで連結し、枠体を形成した中に石やコンクリート殻を再生加工したものを詰めて、かご工法のように使用します。人力で簡単に組み立て可能であるため、重機等の搬入ができない箇所でも施工でき、また中詰め材は重機による投入が可能なことにより、飛躍的に工期短縮が可能です。なお、耐久性・耐食性にも優れ、転石の多い流速の早い急流河川でも使用できます。鋳鉄は鉄に比べ表面は錆びるが腐食しにくい素材で、海水を想定した実験では耐食年数132年という試験結果も出ています。

3.技術の効果

くさび連結式の施工により大幅な工期短縮を可能にし、耐食性・耐久性に於いても、感潮区域での使用を可能にし、ライフサイクルコストを含めたコスト削減が可能である。また、微量に溶出する鉄分が動植物性プランクトンの生成や水中植物・魚介類の育成に有効に働き、環境保全に役立ち、枠自体が強固なため、中詰材は安定し且つ空間も保持されるため、魚介類の棲息空間・荒天時の退避空間・産卵場所にもなる。

4.技術の適用範囲

自然条件:河川の急流域で耐衝撃性を必要とする場所や感潮域
現場条件:床付けが不可能な場所や重機による施工が不可能な場所。
また、仮締切・水替え・湧水で段切施工が不可能な場所や、緊急を要し、また発生材が中詰め材として利用可能な場所。特に生態系への配慮が必要な場所。

5.活用実績

国の機関 18件  (九州  0件 、九州以外 18件 )
自治体 291件 (九州  8件 、九州以外 283件 )
民  間 2件   (九州  0件 、九州以外 2件 )

特徴

多様な施工環境に順応できる省力型パネル

  • 枠体の組み立てが簡単で大幅な工期短縮が図れる。
  • パネルが強固なため、バックホウによる砕石投入が可能。(組立及び中詰工で約30m2/h)
  • 組立が人力作業で行えるため、重機の搬入ができない箇所でも施工が可能。
  • 感潮区域内の設置も可能であり生態系にも適している。

強い耐久性・耐食性

  • 転石が多く、流速の早い急流河川でも使用可能。
  • 鋳鉄は鉄に比べて表面は錆びるが腐食しにくい

地球環境に配慮した3R型

  • 使用後の製品は溶解すればリサイクルが何度でも可能。(Recycle)
  • 枠体の解体も簡単で、組み替えるなどすればリユースが可能。(Reuse)
  • 製品表面には有機溶剤などの塗装をしておらず、ゴミや有害物質が出ない。(Reduce)

鋳鉄と鉄の違い
鋳鉄は鉄に比べ炭素分の含有率がおよそ10倍も高く、耐食性に優れています。また生物が吸収しやすい2価の鉄イオンを多く含むため、生態系に適した自然環境を創ることの出来る素材です。

海水を想定した実験で 耐食年数132年

製品図面

素材/ダグタイル鋳鉄 FCD500
サイズ/縦500mm×横1000mm×厚さ16mm
重量/21kg(外パネル)・16kg(中パネル)

施工手順

  1. 1.機材搬入
  2. 2.掘削・床均し
  3. 3.パネル配置
  4. 4.パネル組立
  5. 5.砕石投入
  6. 6.機材搬出

鋳田籠を用いた施工例

メディア掲載情報

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